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FX・強制決済とは

FX(外国為替証拠金取引)をやっている人が最も聞きたくない言葉、それは「強制決済」でしょう。強制決済はロスカットとも呼ばれます。

FXを行う際にはまずFX業者に口座を開設し、「証拠金」と言う名目の取引資金を預け入れておきます。この証拠金の金額はFX業者によって最低のラインが各々決められています。FXの取引はこの証拠金を元手として行われます。

FXが通常の外貨預金などと決定的に異なる点の一つにレバレッジがあります。レバレッジとは本来「てこ」を意味し、少ない金額でも何倍もの資金に相当する大きな取引ができるのはこのレバレッジのおかげです。しかしレバレッジは諸刃の剣です。買いなり売りなりポジションを持った後、相場が自分の思わく通りに動けばレバレッジのおかげで大もうけすることも可能ですが、逆に相場が思わくとはまったく反対に動いた場合にはごく短い時間で取引資金である証拠金が足りなくなってしまいます。


FXではこうした場合、放置しておくと資金がゼロになるばかりか、はるかに資金の額を上回る巨大な負債を背負ってしまう危険性があります。このようなことが起こるとFXをやっている投資者本人も大損してしまいますが、FX業者としても困った立場に立たされてしまいます。

そのためFXの取引では証拠金の金額が不足してきた場合にはマージンコールと呼ばれる方法で投資者に警告をします。このマージンコールの意味は証拠金が底をついてきたので新たに証拠金を増やすか(追証)、直ちに決済をするようにと促すものです。しかしこのマージンコールを無視したり、うっかりキャッチし損なうと、FX業者では止むなく強制決済を行います。

強制決済は文字通りFX業者によって取引を強制的に終了されるものです。強制決済がなされればその時点で損失が決定してしまいます。

FX・強制決済の基準

強制決済が行われる前には必ずFX業者からマージンコールと呼ばれる警告が電話やEメールで届きます。このマージンコールが発生するのは証拠金の50%を切った時というのが一般的です。

通常はマージンコールを受けると投資者はその時点で自ら損失覚悟で決済するか新たに証拠金を入金しなければなりません。このように自ら損失覚悟で決済することを損切りやストップロスなどと呼んでいます。これらの言葉は強制決済と同じ意味で使用される場合も多いですが、損切りという場合には投資者本人が自発的に決済を行うと言うニュアンスが含まれています。

マージンコールはしばしば無視されることがあります。これは意図的な無視でなく、たまたま緊急時に仕事などのために連絡を受けることができなかった、あるいはマージンコールを受けても手を下す時間や余裕が無かったという場合も多く含まれます。

FX業者ではこうして投資者本人によってマージンコールに対する対応が取られなかった場合に限って、証拠金の全てが消滅する以前に強制決済を行うのです。通常の場合強制決済が行われるのは証拠金の維持率が30%を切った場合などが多いようですが、この基準はFX業者によっても異なりますし、また一部のFX業者では投資する本人があらかじめ維持率50%、30%、20%などというように強制決済のラインを決めることができる場合もあります。

しかし注意しなければならないのは、最近では強制決済以前にマージンコールを行わない業者も増えてきたと言うことです。こうしたマージンコールを行わないFX業者ではあらかじめ投資者本人が「ロスカットアラーム」などと呼ばれる自主的なマージンコールの設定を行うことができるようになっている場合が多いようです。

FX・強制決済の役割

FXを行っている人にとって強制決済などはできれば一度も体験したくないものです。実際に強制決済を行われると投資資金のほとんどを失ってしまうことが多く、再起できない場合もあります。ではなぜFX業者はこのように投資者からは歓迎されない強制決済を行うのでしょうか。

これはもし強制決済というシステムが無かった場合のことを考えると容易に理解できます。FXや商品先物などと言った投資の場合には値幅制限というものが存在しません。値幅制限というのは急激に相場が動いた時に1日の値上がり額や値下がり額に一定の制限を設けたシステムです。株式をやっている人ならお馴染みの「ストップ高」、「ストップ安」と言うのがこの値幅制限の典型的なものです。

値幅制限が存在しないFXの取引で相場が限りなく思わくと反対の方向に動いてしまって、しかもレバレッジも数百倍かけているなどと言った状況ではかなりの額の証拠金を用意していたとしてもそんなものは瞬時に吹き飛んでしまいます。それどころか何百万円や何千万円と言う額の追証が発生することになります。追証はそのまま投資者に取っては負債となります。つまりFXの取引においては強制決済というシステムはこのように投資者が巨額の負債を瞬時に抱えてしまうことを未然に防ぐ防波堤の役割をしているのです。

また最近のFXは個人の投資家がインターネット経由で行うと言うのが一般的ですが、あまりに急激に相場が動いた場合などFXのサーバー自体がパンクしてしまい接続ができない、あるいは接続はできても決済が確定しないといったようなことがよく起こります。このような不運なことが立て続けに起こると強制決済を持ってしても、投資者に多大な負債が発生することがあるというのも覚えておいた方が良いでしょう。

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